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トピックD

平面当てはめによる3次元ボリュームデータからの大域的多面体生成に関する研究

概要

この研究は, 平成12年1月から2月にニュージーランドオークランド大学に客員研究員として滞在中, Klette教授との共同研究として取り組み始めた課題の一つであり, 現在も引き続き研究をすすめています.研究トピックAにおける3次元境界探索アルゴリズムでは, 局所的な点の配置から境界面を決定し多面体を生成しています. そのような局所的多面体生成アルゴリズムは,その考え方の容易さから, コンピュータ・グラフィクス,コンピュータ・ビジョンなどでも広く用いられる一般的な方法です. しかし,その一方で,ある幾何学量(例えば表面積など)を計算する場合には,その計算誤差や, 真値への収束性がないこと(画像の解像度を無限に高くしたとき)などの問題点が指摘されています. その解決策として,空間全体の点の配置から多面体を生成する大域的な方法が注目されています. そのような大域的多面体生成法は, 最終的には空間に分布する点集合に対する平面当てはめ問題になり, 離散空間における平面,すなわち離散平面の定義が必要となります. そこで,2つの不等式で表現される離散代数平面(代数幾何学的な離散平面)を用いて, 平面当てはめ問題,さらに大域的多面体生成問題の解決に取り組みました. この問題は,問題自身が非常に複雑で,設定すべきパラメータも多いことから, まだ決定的な方法は提案されていません.そこで, まず組合せ位相幾何学的アプローチを用いると問題の一部が解決できることを示しました.

組合せ位相幾何学的アプローチを用いるためには, 離散組合せ平面(三角形分割された離散平面)の定義が必要となります.そこで, トピックAと同様の組合せ位相幾何学的方法を用いて離散組合せ平面を定義しました. そして,最近の研究成果では,離散組合せ平面と離散代数平面の関係を明らかにし, 離散組合せ平面は離散代数平面に位相(三角形分割)を与えていることを証明しました.

参考文献

国際会議 [3, 11, 16, 20, 24, 27]

 

Yukiko Kenmochi
Last updated: 2/4/2004