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トピックC

変形する多面体と形状情報取得に関する研究

概要

この研究は,平成9年6月から9月に米国メリーランド大学留学中の Rosenfeld教授とのディスカッションから生まれ, 現在も進行中の研究課題です.研究トピックAで構築した理論をもとに, 時間とともに変形する多面体の集合論的表現(すなわち,多面体を多角形の集合として, その変形は集合演算として表現)を提案し,さらに,その代数構造を調べることにより, 位相的に正しく変形する多面体群を定義しました. そして,時間の経過とともに形状が変化する多面体(三角形分割された閉曲面), すなわち時系列の多面体群から,幾何学特徴量, 位相幾何学特徴量を効率良く(なるべく局所的に)計算するアルゴリズムを提案しました. 既存の3次元,あるいは4次元(3次元空間+時間)画像における形状解析手法のほとんどは, まず離散点からの補間により連続空間における近似曲面を求め, その後その近似曲面に関して形状解析を行う,という2つの段階を踏ます. したがって,あくまでも形状解析は連続空間において行われます. しかし,画像のように元のデータが離散的に与えられている場合,離散的な形状解析法, すなわち変形(ただし,変形も離散的であることに注意)により得られる可能性のあるすべての多面体を数え上げる, 上記のような組合せ的方法のほうが,より計算機に適した素直な方法ではないかと考えています. 医療などの分野で実用化がすすんでいる4次元画像(3次元空間+時間)の新しい形状解析法として, このような離散的アプローチは今後ますます注目されていくでしょう.

結果

離散物体の変形例

上記変形による離散物体の位相幾何学特徴量の変化

参考文献

博士論文 ; 著書(章)[1] ; 国際会議 [4, 12, 17, 18]

 

Yukiko Kenmochi
Last updated: 2/4/2004